『ヒポクラテスの誓い』
医師の倫理や任務など職業倫理について書かれた宣誓文のことです。
世界中の西洋医学教育において、現代に至るまで語り継がれている宣誓文で、医神アポロン、アスクレピオス、ヒギエイア、パナケイアなどギリシアのすべての男神、女神に誓うものです。
ギリシア時代の世襲医師の家系で子弟が修業を終えて、正式にその一員に加えられるときに行われ、現在でも大学医学部の卒業式などで朗読されています。
『再生医療』
ケガや病気で侵された組織や臓器を自分自身の幹細胞を使用して、元通りの形や機能を再生させる最先端の医療技術のことです。
本来、人間の細胞には自身で修復再生する能力が備わっています。
その再生能力の元になるのが「幹細胞」と呼ばれる細胞のタネで、幹細胞のおかげで、切り傷や多少のやけど、病気を自己修復することができます。
『QOL(Quality of Life)』
患者が手術など医療処置を受けた後に送る生活の質のことを言います。
人間らしい充実した生活という視点から、患者の満足度や幸福度を向上させることを目的にしています。
物理的な豊かさ、サービスの量、患者の自立した生活だけでなく、精神面を含めた生活全体の豊かさ、自己実現を含めた概念です。
1960年代までの医学的リハビリや福祉では、ADL(Activities of Daily Living)が意味する、歩行、食事、衣服の着脱、洗面、入浴、排便など日常生活に必要な身辺動作を回復させ、介助することのみが目指されていました。
1970年代に入り、ターミナルケアや障害者の自立生活運動などの領域で、ADLを目指すだけでなく、身辺が自立した生活ができなくても介助やヘルパーを利用して、当事者が希望する生活の質の確保に注目されるようになりました。
医療だけでなく、高齢者福祉でも生きがいや幸福感というQOLの向上が求められるようになっています。